obscureレーベル
obscureレーベルは、ブライアン・イーノがAMBIENTシリーズより前、70年代後半に作ったレーベルです。全部で10枚のアルバムがあります。
アンビエント・シリーズを聞いて同じような音を求める人には、期待する音と少しちがうかもしれません。内容はどちらかというと現代音楽、実験的な音楽といった感触です。
ENO、PENGUIN CAFE、HAROLD BUDDあたりから聴き始めるのがオススメです。
どんな内容かを知るには、obscureシリーズ10枚すべての紹介が載っている書籍「波の記譜法 – 環境音楽とは何か -」(時事通信社 1986 ISBN:4788786079)を読むのがベストですが、長らく絶版のままです。アマゾンでは中古品が入手可能なようです。そのほか国立国会図書館デジタルコレクションでも読めるようです。
THE SINKING OF THE TITANIC
Gavin Bryars
A面の「タイタニック号の沈没」、B面の「イエスの血は決して私を見捨てない」は、別バージョンでそれぞれCD化されています。
このobscureバージョンはマスターを紛失して再発不可能といわれていたらしいのですが、無事マスターを発見できたようでリマスターされて再発されました。
ジャケットはRussell Millsによる、言わば「オリジナルジャケットのRemixバージョン」。
最近、Bryars自身のレーベル、GB RecordsよりArchive Seriesの一作として再発されました。
過去に発売されたCDと明確に区別できるようにしたかったのか、A面B面の順序を入れ替えてアルバムタイトルも”Jesus’ Blood Never Failed Me Yet”に変更しています。
ENSEMBLE PIECES
Christopher Hobbs / John Adams / Gavin Bryars
邦題「アンサンブル曲集」。A面がChristopher
Hobbsの”ARAN”とJohn Adamsの”American
Standard”、B面がChristopher Hobbsの”McCRIMMON
WILL NEVER RETURN”、Gavin Bryersの”1,
2, 1-2-3-4″という構成です。
近年、GB RecordsよりArchive Seriesの一枚として再発されましたが、John Adams作品の代わりにobscure 8のBryarsの作品”The Squirrel And The Ricketty Racketty Bridge”が収録されているようです。
DISCREET MUSIC
音は”ANOTHER
GREEN WORLD”と”MUSIC FOR AIRPORTS”の中間でしょうか。
B面の「パッヘルベルのカノン」のアレンジもいいですが、僕はその後のアンビエント路線を予感させる表題曲のA面が好きです。
2004年、オリジナルジャケットで再発されました。日本盤は紙ジャケ。輸入盤はDigiPack仕様でCCCD(CCCDじゃないのもあるらしい?)。
NEW AND REDISCOVERED MUSICAL INSTRUMENTS
David Toop / Max Eastley
A面:Max
Eastley、B面:David Toopによるオリジナル楽器の「音」。
なぜかジャケットの名前の順序と収録順が逆。
DECAY MUSIC
オフィシャルサイトのディスコグラフィーによると、Michael
Nymanの初レコード化音源らしいです。
最近再発されたCDは、オリジナルのLPでは未収録の”1-100
(Faster Decay)も収録。ジャケットは”THE SINKING
OF TITANIC”同様、Russell
Millsによるものです。
DigiPack仕様でCopy Controlled CD。
MUSIC FROM THE PENGUIN CAFE
ペンギン・カフェ・オーケストラ
(レーベルでのアーチスト表記は”SIMON
JEFFES”個人)の1stアルバム。
もしかしたらobscure最大の功績は、このペンギン・カフェ・オーケストラを見出したことかもしれません。このシリーズの中ではおそらく一番売れたアルバムです。
再発時には、新しい「ペンギン」ジャケットになりましたが、
オリジナルに準じた配置のタイトル、オリジナルの裏ジャケのイラストの採用と、旧ジャケットをリスペクトしたデザインになっています。
MACHINE MUSIC
John White / Gavin Bryers
未CD化。
アルバムB面に収録されていたGavin Bryarsの”The Squirrel And The Ricketty Racketty Bridge”は、別タイトルCDに収録されています。
文字どおりの”MACHINE”とはちょっとちがう、素朴な音源を用いたミニマルっぽい音楽。
THE PAVILION OF DREAMS
AMBIENT2でイーノと共作した Harold Budd、70年代前半の作品群。
僕の持っているCDはUS盤でCaroline Recordsから発売されたものでした。 後にUK盤も買いました。
ジャケットについて
obscureのオリジナルジャケットは10枚すべてが統一されたデザインで、『「薄暗い」街の風景に四角く切り取られた明るい断片がある( この四角い断片だけが10枚それぞれ違っている)』という、地味ながらまさにオブスキュアな雰囲気そのものの味わいがあるジャケットでした。
現在、 “NEW AND REDISCOVERED MUSICAL INSTRUMENTS”だけが、オリジナルジャケットでCDになっています。
その後、80年代にポリドールから再発(日本でも発売されてました)された頃、まず “DISCREET MUSIC” と “THE PAVILION OF DREAMS”の2枚が新しいデザイン(現在のCDと同じ)に変わり、その後順次それに合せて統一されたようです。例外は “MUSIC FROM THE PENGUIN CAFE” で、これだけは「ペンギンイラスト」に変わりました。このイラストの元絵は、オリジナルジャケットの裏ジャケで使われていたものです。
比較的最近再発された “THE SINKING OF THE TITANIC” と “DECAY MUSIC” は、オリジナルデザインをもとにRussell Millsがアレンジしたものになっています。
オリジナルと比べるとずいぶん派手な感じですが、これはこれで「現在」に合っている気もします。
僕の持ってるEnoのLP”On Land”のインナースリーブにある再発カタログ。
上段がAMBIENT4作。その下がobscureの10作。

リリース
UK再発盤LP
カタログ番号がイーノの「オン・ランド」の後で連続していることから推測すると、 「オン・ランド」の発売時期に合わせてAMBIENTシリーズとobscureシリーズの一挙再発を計画したものと思われます。
このときすでにペンギン・カフェが新ジャケットになっているので、もしかするとカタログ番号順の発売ではなかったのかもしれません。 前年にセカンドアルバムがかなり売れたペンギン・カフェだけ、先行発売した可能性もあります。
ペンギンカフェのほか、この再発ではイーノとバッドの2作品も新ジャケットになっています。
この再発では、裏ジャケのobscureロゴの右側に番号が付加されています。
Catalog No. | Series No. | Title | Artist(s) |
---|---|---|---|
EGED17 | AMBIENT 1 | MUSIC FOR AIRPORT | BRIAN ENO |
EGED18 | AMBIENT 2 | THE PLATEAUX OF MIRROR | HAROLD BUDD / BRIAN ENO |
EGED19 | AMBIENT 3 | DAY OF RADIANCE | LARAAJI |
EGED20 | AMBIENT 4 | ON LAND | BRIAN ENO |
EGED21 | obscure 1 | THE SINKING OF THE TITANIC | GAVIN BRYARS |
EGED22 | obscure 2 | ENSEMBLE PIECES | CHRISTOPHER HOBBS / JOHN ADAMS / GAVIN BRYARS |
EGED23 | obscure 3 | DISCREET MUSIC | BRIAN ENO |
EGED24 | obscure 4 | NEW AND REDISCOVERED MUSICAL INSTRUMENTS | DAVID TOOP / MAX EASTLEY |
EGED25 | obscure 5 | VOICES AND INSTRUMENTS | JAN STEELE / JOHN CAGE |
EGED26 | obscure 6 | DECAY MUSIC | MICHAEL NYMAN |
EGED27 | obscure 7 | MUSIC FROM THE PENGUIN CAFE | PENGUIN CAFE ORCHESTRA |
EGED28 | obscure 8 | MACHINE MUSIC | JOHN WHITE / GAVIN BRYARS |
EGED29 | obscure 9 | IRMA – AN OPERA | TOM PHILLIPS / GAVIN BRYERS / FRED ORTON |
EGED30 | obscure 10 | THE PAVILION OF DREAMS | HAROLD BUDD |
日本盤LP
日本盤は、まず1982年2月にペンギン・カフェが新ジャケットで発売されました。
この盤のオビ裏には「アルバム10枚、1982年4月5月に発売予定」と予告されていて、10枚すべてのタイトルとアーチスト名が紹介されていました。
実際のリリースは少し遅れて、6月と7月でした。
6月はイーノを除けばペンギン・カフェの次に売れそうなハロルド・バッドの作品を筆頭に4作品、 7月にはイーノの「ディスリート・ミュージック」とそのほか3作品。
5と8の2作品が抜けています。6月発売の盤のオビ裏に書かれていた発売予定にも2作品はありませんでした。
結局、この2作品は現在まで日本盤未発売のままです。
日本盤をカタログ番号順に並べてみると、ちょうど5と8が位置しそうな番号が欠番になっています。 当初は発売の予定だったのに、何らかの理由でオミットされたのではないかと考えられます。
発売が遅れたのは、この2作品の発売是非を検討していたからなのでしょうか。
発売日 | 品番 | シリーズ 番号 | タイトルとアーチスト |
---|---|---|---|
1982/02/25 | 25MM 0138 | obscure 7 | 「ようこそペンギン・カフェへ」ペンギン・カフェ・オーケストラ |
1982/06/01 | 25MM 0154 | obscure 10 | 「夢のパヴィリオン」ハロルド・バッド |
1982/06/01 | 25MM 0155 | obscure 1 | 「タイタニック号の沈没」ギャヴァン・ブライアーズ |
1982/06/01 | 25MM 0156 | obscure 2 | 「アンサンブル曲集」ホッブス,アダムス,ブライアーズ |
1982/06/01 | 25MM 0157 | obscure 4 | 「新しい楽器と再発見された楽器」トゥープ,イーストレイ |
1982/07/01 | 25MM 0158 | obscure 3 | 「ディスクリート・ミュージック」ブライアン・イーノ |
25MM 0159 | obscure 5 ? | ||
1982/07/01 | 25MM 0160 | obscure 6 | 「ディケイ・ミュージック」マイケル・ナイマン |
25MM 0161 | obscure 8 ? | ||
1982/07/01 | 25MM 0162 | obscure 9 | 「イルマ」トム・フィリップスによるオペラ |
日本盤LPのアナザージャケット
発売されてしばらく経って、というかいつのまにか、ジャケットが一新されていました。型番に変更はないので、お色直し的な意味合いが強いジャケット変更だと思います。
販売枚数が伸びなかったことによるテコ入れだったのかもしれません。
すでに新ジャケットになっていたペンギン・カフェ・オーケストラ、イーノとバッドはそのままです。
一新されたジャケットのデザイン・レイアウトは、イーノとバッドの新ジャケと違和感ない程度に合わせていますが、これらとは別モノです。
写真は風景ではなく無機物っぽい何かで、それぞれで構図が違います。ただしナイマンは例外で風景写真です。
タイトルとアーチスト表記は旧ジャケットのフォントに極めて近いものを使っています。イーノとバッドの新ジャケでは少しシャープなイメージのフォントになっています。
そして、背景色が一枚一枚それぞれ異なっています。もともとイーノとバッドの新ジャケも黒と(何故か)ピンクと色違いだったので、 ペンギン・カフェ・オーケストラの青も含め8枚それぞれの色を持つ、ある種の統一感があります。
これは日本独自企画のデザインなのでしょうか。
1990年代のCD再発
最初のCDによる再発は、LPに準拠した品番になっています。
裏ジャケにあったobscureロゴはなくなりました。レーベルにもありません(以降のCDも同様)。
Catalog No. | Series No. | Title | Artist(s) |
---|---|---|---|
EEGCD17 | AMBIENT 1 | MUSIC FOR AIRPORT | BRIAN ENO |
EEGCD18 | AMBIENT 2 | THE PLATEAUX OF MIRROR | HAROLD BUDD / BRIAN ENO |
EEGCD19 | AMBIENT 3 | DAY OF RADIANCE | LARAAJI |
EEGCD20 | AMBIENT 4 | ON LAND | BRIAN ENO |
EEGCD21 | |||
EEGCD22 | |||
EEGCD23 | obscure 3 | DISCREET MUSIC | BRIAN ENO |
EEGCD24 | |||
EEGCD25 | |||
EEGCD26 | |||
EEGCD27 | obscure 7 | MUSIC FROM THE PENGUIN CAFE | PENGUIN CAFE ORCHESTRA |
EEGCD28 | |||
EEGCD29 | |||
EEGCD30 | obscure 10 | THE PAVILION OF DREAMS | HAROLD BUDD |
VirginのCD再発(再々発)
Catalog No. | Series No. | Title | Artist(s) |
---|---|---|---|
CDOVD478 | obscure 4 | NEW AND REDISCOVERED MUSICAL INSTRUMENTS | DAVID TOOP / MAX EASTLEY |
CDOVD482 | obscure 10 | THE PAVILION OF DREAMS | HAROLD BUDD |
リマスターCD
ラッセル・ミルズによる新装ジャケット。このデザインで全部再発されるのかと期待したが、結局2枚しか出なかった。
Catalog No. | Series No. | Title | Artist(s) |
---|---|---|---|
CDVE938 | obscure 1 | THE SINKING OF THE TITANIC | GAVIN BRYARS |
obscure 6 | DECAY MUSIC | MICHAEL NYMAN |
ペンギン・カフェ・オーケストラの再発CD
ペンギン・カフェ・オーケストラの全アルバム一気再発の中の一枚。
当初の発売型番に、おそらくリマスターを意味する”R”を付けている。が、この型番(EEGCDR)、ペンギン・カフェでしか見たことないような…。
Catalog No. | Series No. | Title | Artist(s) |
---|---|---|---|
EEGCDR27 | obscure 7 | MUSIC FROM THE PENGUIN CAFE | PENGUIN CAFE ORCHESTRA |
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